MLBやDeNAで活躍したトレバー・バウアー投手(33)がメキシコで米球界復帰をもくろみ〝無双〟の活躍を続けている。今季からメキシカンリーグ(LMB)のディアブロス・ロホス・デル・メヒコでプレー。当初はMLB復帰を目指し4月11日から5月11日までの5試合限定だったが、現在は今季終了まで契約を延長した。

 直近の試合でも14日(日本時間)のオルメカス・デ・タバスコ戦で先発マウンドに立ち、7回2/3を投げ、1失点8奪三振の好投。早くも今季8勝目を飾り、防御率を1・48にまで下げている。

 こうした活躍が話題となって、メキシコ国内での人気が沸騰。メキシコの老舗スポーツ誌「RECORD」最新号の表紙にもなり、これについて代理人のレイチェル・ルーバー氏が17日に自身のインスタグラムのストーリーに「あなたを誇りに思います」と投稿している。

 その一方で欧米のスポーツニュースを網羅するインド系メディアの「スポーツキーダ」は、メキシコで時ならぬ〝バウアーフィーバー〟が沸き起こる現状を詳報しながらバウアー自身の苦悩についても触れている。

 バウアーが今月2日に公式Xでフォロワーからの質問に答える形で「たくさんあるが、いつもと同じパターンだ」とし、匿名ながらもMLB球団の某GMが自身について「我々は彼とぜひ契約したい。彼は我々の勝利に貢献してくれるだろうし、クラブハウスでも素晴らしい存在になるだろう。しかし、それは私が決めることではない。オーナーとMLBが決めることだ。オーナーと相談させてくれ」と述べたことをリポート。バウアーがX上で「私がMLBで仕事がないことの唯一の論理的な説明は球団が私と契約できないと言われているということだ。それは深刻な問題だ」と指摘していることも、同メディアは報じている。

 MLB球団のGMたちからはバウアーとの契約に興味を示す声が上がりながらも、最終決定権は各球団のオーナーや統括するMLBコミッショナーに委ねられているということか。いずれにせよ、バウアーとしてはメキシコで名声をとどろかせ、何とか悲願のMLB復帰を果たしたいところのようだ。