桜前線の真っただ中にある青森県内。19日は弘前、八戸、つがるの各市の桜の名所でソメイヨシノが満開を迎え、市民や観光客が「桜色」に染まった景色を満喫した。

つがる・平滝沼公園

 ソメイヨシノが満開となった、つがる市の桜のスポット・平滝沼公園。19日は曇り空で肌寒く、時折小雨がちらつくあいにくの天気だったが、咲き具合を確認しに来た市内外の人たちが淡いピンク色やボリュームたっぷりの花々、桜のトンネルを堪能した。

 同公園にはソメイヨシノを中心にヤエザクラなどの木が千本以上あり、「千本桜の並木道」と呼ばれて親しまれている。市観光物産協会によると、今年は例年より2日ほど早い15日に開花したという。22日ごろまでは花見が楽しめる見通し。

 同公園では20、21日にステージイベントなどを行う恒例の「つがる市春まつり」(同協会、市共催)が開かれる。フード、クラフトの出店約90店が集まる「はるどき!」も同時開催される。

弘前公園

 弘前市の弘前公園全域でソメイヨシノが満開となった19日、各地から多くの行楽客が訪れ、咲き競う花々や園内での飲食を満悦した。市公園緑地課によると、記録的な早咲きとなった昨年より6日遅かったが、平年より8日早い満開となった。

 この日は朝から小雨がぱらつく空模様だったが、多くのインバウンド(訪日客)や観光客が園内を巡り、満開となったソメイヨシノと、ベニシダレや御滝桜などの競演を楽しんだ。レジャーシートを敷いて乾杯をする花見客も多かった。

 結婚式の前撮りやフォトウエディングのため和装姿で園内を歩く人の姿も目立った。弘前市の三上真史さん(35)と鶴田町の齋藤光さん(27)は、満開の桜の下で写真を撮りたいと半年前に撮影日を予約。予想が的中し、「最高です。仲良く楽しく暮らしていきます」と笑顔で話した。

 本丸では満開セレモニーが行われ、桜田宏市長ら関係者が色とりどりの風船を空に放つなどして祝った。市は満開の後に楽しめる花吹雪と花筏(はないかだ)の見ごろを20日から24日と予想している。

八戸公園

 八戸市の八戸公園では、ソメイヨシノなど約2千本の桜が満開を迎え、訪れた行楽客は穏やかな春の一日を楽しんだ。

 19日の同公園は正午過ぎから日が差し始め、花々が鮮やかさを増して春らんまんの雰囲気に。園内の「こどもの国」遊園地ゾーンも家族連れらでにぎわい、観覧車やジェットコースターなど遊具を楽しむ歓声に満たされた。

 秋田県大館市から家族4人で訪れた大日向晴翔(はると)君(川口小4年)は、高さ2メートル以上のレールを走るサイクルモノレールに乗り「桜の花がすぐ近くで見られてうれしい」と喜んでいた。

 同公園管理事務所によると、園内のソメイヨシノは平年より1週間〜10日ほど早い15日ごろ開花した。見ごろは今後の天候にもよるが、23日ごろまで続く見込みという。