「『色の見え方』を通してかんがえる、わたしとあなたの多様性」とする絵本が3月に発売された。株式会社講談社が発行する「いろ・いろ色覚と進化のひみつ」だ。著者はノンフィクション作家の川端裕人さん。そして、町田市在住の絵本作家、中垣ゆたかさんが絵を担当した。
川端さんは「色の見え方が違うことで悲しまなくても良いようにしたいと思った」と話している。
「進化型」
この絵本は、人の色の見え方がどのような歴史をたどってきたのかを振り返り、多数と見え方が違う人の見方を「進化型」と表現。進化型は色覚異常とされることもあるが、「そもそも色の見え方は人によって全く違う」と川端さん。青と緑など、人によって細かい識別が異なる色も多く、「幼い時から手にする絵本で、ネガティブな印象の刷り込みを避けたいと思った」と振り返る。
読みやすく
そんな思いを「子ども向け」に読みやすくしたのが、中垣さんのイラストだ。
「明るく楽しい印象のもの。かたい内容になりすぎない点が良かった」と出版社の担当者は説明し、中垣さんが主に使用するカラーペンのはっきりとした色使いが、「進化型」のところを表現するのに適していたという。
「難しかった」
中垣さんは「色選びが難しかった」と話す一方、「イベントに持って行ったところ、多くの人が興味を持ってくれた。探してたんだな、という感覚があった」と話している。