住む場所によって子どもへの施策に差が生じないようにしてほしい――。神奈川県の黒岩祐治知事と埼玉県の大野元裕知事、千葉県の熊谷俊人知事の3人が7日、盛山正仁文部科学相や加藤鮎子こども政策担当相らにそんな要望をした。3人に共通するのは、東京都が豊かな税収を背景に、高校授業料の無償化で所得制限を撤廃するといった独自施策を進めていることへの危機感だ。

 要望では、東京都は高校授業料無償化の所得制限撤廃以外にも、0〜18歳の子どもへの月5千円給付▽公立学校給食費の無償化▽第2子の保育料を2歳児まで無償化▽18歳までの医療費助成――を独自に行っており、地域間で格差が生じていると指摘。「自治体の財政状況に起因する格差が生じることがないように、国の責任と財源により必要な措置を講じること」に加え、行政サービスの地域間格差が生じないように税源の偏在是正を求めた。

 黒岩知事は報道陣の取材に「県民から神奈川県が(東京都と同じような施策が)できないのは納得できないと言われる。(東京都の)財政力が圧倒的なので、とても太刀打ちできない」と述べた。

 この問題は、4月の9都県市首脳会議でも議論になり、東京都の小池百合子知事は都内ではマンション価格や物価が高騰していることをあげて、「子育て世代をいかに守っていくか。もはや一刻の猶予もない」と反論している。(増田勇介)