台湾高雄市にある鳳山小学校の子どもたちが5月17日、市立緑が丘小学校を訪問。音楽交流会を開催した。お互いの文化を知り、尊重し合う態度を育むことが目的の1つ。緑が丘小の3〜6年生180人の児童らと、台湾南部の原住民の民族衣装を身にまとった鳳山小の児童36人が、合奏や舞踊などを披露しあい、交流を深めた。

この事業は八王子市の海外友好交流都市である台湾高雄市との交流の一環で、2008年から陵南中を会場にスタート。今回は7年ぶり6回目の開催となった。

鳳山小から訪れたのは「芸術才能音楽クラス」の児童ら36人とその保護者含め88人。同小は、日本統治時代にあたる1896年、日本政府により「鳳山国語(日本語)伝習所」として発足。その2年後「鳳山公学校」と改名。初等教育を施す公学校として開校した。日本とも縁の深い学校だ。

鳳山小児童を代表してあいさつに立った鄭伃涵(ていゆかん)さんは、日本語で「私たちの音楽を披露できるのはうれしい。この日のために練習してきました。演奏や先住民の舞踊を通して台湾の魅力を感じてもらえるとうれしいです。これからも仲良くやっていきましょう。どうぞよろしくお願いします」と話した。

はじめに、緑が丘小の6年生が「アフリカンシンフォニー」を合奏。次に、運動会で披露するため練習中の3・4年生が水色の半被を羽織り「ソーラン節」を、5・6年生が「組体操」を披露した。

続いて、鳳山小の児童らがヴァイオリンやチェロ、ホルンなどの管弦楽編成で「花は咲く」「天空の城ラピュタ」「台湾民謡組曲」などを演奏。ドレミの歌を合唱した後、「となりのトトロ」の1番の歌詞を中国語で、2番の歌詞を日本語で歌った。2番は緑が丘小学校の児童らも一緒に歌い、会場の盛り上がりも最高潮になった。

救援金を贈呈

音楽交流会には、台湾東部沖地震への募金活動を行った市立学校有志である中学生らも出席。寄せられた28万5861円の募金を団体代表へ手渡した。

募金呼びかけの中心となった市立第五中学校生徒会長の熊ノ郷公人さん(14)は「地震と聞いて募金をしたいと思った。生徒会の活動として始めたら、どんどん横に広がっていった。集められて寄付を手渡せてよかった」と話した。