たまプラーザでロシナンテ美容室を経営している佐野良三さん(73)=上写真=がこのほど、皮ふを傷つけない「安全爪切り」を考案した。

安全爪切りは、2枚の刃のうち、片側を短くするというもの=下写真。長い方の刃を皮ふ側に当てることで皮ふをガードし、巻き込むことがなく安全に使え、切る範囲も見やすくなるという。

年齢とともに身体は固く、手元も見づらくなっていたと話す佐野さん。自分の足の爪を切るのが怖く、困っていた中で、市販品の爪切りを改造することを思いついたという。グラインダーで刃の両端を削り、実際使用すると使い勝手が良かったことから、昨年末に実用新案を特許庁に出願、今年1月に登録されている。刃に長短を付けるアイデアなので、ニッパー型やテコ型などさまざまな爪切りに対応が可能だという。

佐野さんは外部評価を聞きたいと5月12日、NPO法人横浜発明振興会が毎月開催している意見交換会「日曜発明サロン」で発表。そこで最優秀賞を受賞するなど高い評価を得られたという。佐野さんは商品化を目指しており、今後、(一社)発明学会が主催し、企業が審査して商品化に向けて検討してくれる「身近なヒント発明展」に応募する予定だ。

佐野さんは「自分と同じ高齢者だけではなく、介護職や子どもなど、さまざまな利用が想定できる。商品化につなげられたら」と話している。