「令和6年度横浜市中学校春季野球大会」の決勝が11日、俣野公園横浜薬大スタジアムで行われ、港南区の丸山台中学校軟式野球部が、磯子区の汐見台中学校と対戦した。初の市大会決勝となった丸山台中は4対8で敗れ準優勝となったが、25日(土)からの県大会に出場する。

横浜市内中学校の頂点を決める「令和6年度横浜市中学校春季野球大会」。丸山台中(藤至光校長)野球部初の市大会決勝戦となった試合は汐見台中(磯子区)に初回に2点、3回表に3点、4回表に1点と最大6点差をつけられる苦しい展開。しかし、4回裏に1点を返すと5回裏に3点を取るなど反撃に転じた。また、4点差で迎えた最終7回裏には、四球と敵失で1死満塁一打同点のチャンスを作り、強敵に食らいついた。最後は2者連続三振でゲームセットとなったが、諦めない姿勢に観戦に訪れた学校関係者や保護者から「ナイスゲーム」との声が飛んだ。

同校はこの大会での最終成績を準優勝とし、25日から行われる県大会に進出。県大会を勝ち抜き、その後県代表のクラブチームとの試合に勝利をすると、全国大会への出場権を得る。

監督の指導結実

同部を監督として指導する大山和志教諭は「目標に向かって一生懸命やった積み重ねが好成績につながった」と話す。現在の3年生は大山教諭が同校に配属され野球部監督となったのと同じタイミングで入学した学年で、考えがしっかりと浸透している。特に大山教諭が重視してきたのが相手によらず「自分たちの野球」を貫く姿勢だ。「『試合は発表会』ということを選手に話してきた。練習の成果を発揮し、楽しんでプレーしていた」と選手を評価した。また、同部の選手たちは攻守交替でベンチに引き上げる度に帽子をとってグラウンドに頭を下げる。そうした姿からも技術だけでなく礼節を重視していることが伺えた。大山教諭は県大会に向け「生徒たちには野球への感謝を忘れずに、市の代表として大会を楽しんでほしい」と話した。

また、試合後には一塁手と投手を務めた市川惺太郎選手(3年)と捕手を務めた加藤塁斗選手(3年)がコメント。両選手は口を揃えて「敗因は日頃の生活も含めた、物事に対する悪い姿勢」と野球以外の面まで含め自分自身を振り返った様子。だが、県大会に向けては市川選手が「悔しいがそれを糧に、県大会では丁寧に勝利を積み重ね、優勝。そして、クラブチームも倒し全国大会へ進出したい」。加藤選手が「決勝戦ではエラーなどもあったが、ピンチの場面を好プレーで凌ぐ局面もあった。次につながると思う」と前を向いて語った。