山北町が発祥の地で、吉永小百合さんや由紀さおりさんなどを輩出した「ひばり児童合唱団」。合唱団生誕80周年を迎えたことを記念し6月23日(日)、町主催のイベントの中で、OGで結成されている「ひばりオトナ合唱団」の特別コンサート『ひばりのさえずりは「やまきた」から始まりました』が行われる。

同合唱団は、創設者の音楽家・故皆川和子さんが本土空襲が本格化してきた1944年、知人のいる山北町に疎開してきたのが始まり。川村小学校や山北中学校、山北高等女学校で講師として音楽を教えた皆川さんは同年、合唱団の前身である「春和会」を創設。戦後、子どもたちの美しい歌声が評判になる。ラジオなどに出演するように。46年からは「ひばり児童合唱団」に改名。レコードなども出すようになり、拠点を東京に移し、名前は全国区になっていった。

町の担当者によると、当時はラジオ番組への出演は生放送しかなく、山北から東京へ行く一番列車の中で最終調整を行ない、その明るい歌声は乗客の心を掴んだという。その後、吉永小百合さんや安田祥子・由紀さおり姉妹など多くの著名人を輩出。現在は団員45人、定期演奏会やレコーディングなども行っている。

山北町は生誕80周年を記念して、発祥の地である山北町でのコンサートを打診。同団も快諾し、ひばり合唱団のOG組織で、20代から60代の団員23人による「ひばりオトナ合唱団」が生涯学習センターで特別コンサート(6月23日(日)午後1時10分からの山北町青少年健全育成大会内)を行うことになった。

和子さんの姪であり、同団の皆川礼子さんは「合唱団が誕生した山北で、ひばりのさえずりをお聞かせしたい。特に団歌は山北の景色が歌われている。そんな情景をみながら歌えるのを楽しみにしています」とコメント。また、町の担当者は「ひばり児童合唱団の歴史や、故皆川和子さんの当時の山北の子どもたちに対する温かな思いに触れ、山北町を誇りに思ってほしい」と話した。