自転車の交通違反に対して反則金を課す「青切符」による取り締まりの導入を盛り込んだ改正道路交通法が、17日の参議院本会議で可決・成立した。これを受け、大和警察署(森田仁志署長)では、自転車のマナーアップなど啓発に力を入れていく方針だ。

全国的に自転車事故が増加している中、交通違反者に対し、反則金を納付させる「青切符」による取り締まりが自転車の利用者に適用される。

16歳以上、113の違反行為が対象で、このうち信号無視や一時不停止、携帯電話を使用しながらの運転など、とくに事故につながる恐れがある違反に対し、重点的な取り締まりが行われる予定だ。改正道交法は2年以内に施行予定で、今後、反則金の金額なども定められる。

大和署の交通第一課によると、現在は無灯火や2人乗り、並走などの違反に対して注意を促す「自転車指導警告カード」、遮断踏切への立ち入り、信号無視などの違反には「違反切符(赤切符)」による取り締まりをしている。3年以内に赤切符を2回受けた場合、「自転車運転者講習」の受講が義務付けられ、受講しなかった者には5万円以下の罰金が科される。

改正道交法の施行により、これまでの自転車指導警告カード、赤切符に青切符が加わる。同課では「現時点で具体的なコメントはできないが、改正道交法の施行後の取り締まりの詳細について、今後の動向を注視していく」としている。

市内の状況

大和市では、今年1月から5月14日までに合計67件の自転車事故が起きており、前年比で6件の増加となっている。また管内(大和市・綾瀬市)で起きた同期間の自転車事故の発生件数は87件(12件増)で、県内ワースト2位となっている。

県では、5月を「自転車マナーアップ強化月間」とし、警察関係団体や大和市の協力のもと、ヘルメット着用や安全運転、盗難対策などの啓発活動を行っている。

同署では、市内の自転車利用状況を把握するため、5月15日に下鶴間でヘルメット着用の実態調査を実施した。

調査は午前7時30分から1時間にわたり行い、160人のうちヘルメット着用は12人で、着用率は1割を下回った。

同課の担当者は「事故につながるような危険運転に対する取り締まりを強化しながら、事故の際に命を守るヘルメットの着用を呼びかけ、事故のない安心・安全な地域を目指していきたい」と話している。