2024年4月1日時点で、希望する保育所などに入ることができない大和市の「入所保留児童」は383人だった。昨年より85人増えた一方、待機児童は0人だった。市が1日発表した。

市ほいく課によると、就学前の子どもの数は減少傾向にあるものの、20〜24年の入所申込者数は4495人、4742人、4867人、5195人、5418人と右肩上がりで推移。共働き世帯の増加といった社会背景もあり、同課担当者は「今後も増加傾向は続くのでは」とみる。

市ではこうしたニーズの受け皿を増やそうと、今年度は保育所を2カ所増やすなどし利用定員の拡大に着手。民間では新たにつきみ野幼稚園が認定こども園に移行したこともあり、施設を選ばなければ全員が園に入ることができる、いわゆる「待機児童ゼロ」を9年連続で達成した。

市内北部に来春2施設

一方、入所保留児童も入所申込者と同様に過去5年間をみても増加傾向にあり、24年は20年と比べるとおよそ2・3倍となった。入所保留児童383人の中には育休延長を希望し「入所保留通知書」を目的とする申込者も含まれるが、同課の担当者は「人口が増加している市内北部の施設整備などは必要。北部地域に入所保留が多い傾向がある」と話す。

市では、25年度から新たに保育所を2園増やす計画。いずれも市内北部に建設され、利用定員は144人増える見通し。

市では保育サービスの情報提供を行う「保育コンシェルジュ」を配置し、年間およそ1150件の相談に対応してきた。担当者は「保育ニーズを見極め、地域に合わせた保育体制の構築に努める」としている。