5月の小田原市長選で4度目の当選を果たした加藤憲一市長が6月10日、小田原市議会6月定例会の冒頭で所信表明演説を行った。

登壇した加藤市長は市長選を振り返り「前回より1・38ポイント投票率が上がっており関心の高さが伺えた。今後は組織体制の整備や検証を進め、良いのものは継承、課題のあるものはしっかりと改めるといったスタンスで取り組んでいきたい」と話した。

市政運営について、誰もが笑顔で暮らせる愛すべきふるさと小田原と、命を守り育てる地域自給圏の創造を大方針として提示。「任期中における職務を全うし、小田原の可能性と人の力を信じて市政運営に取り組んでまいります」と述べた。

市政の立て直しに向けては、5つの視点として命への寄り添いと支援が行政の最重要ミッションと示したほか、エネルギー、安全な食、暮らしを支えるものづくり、教育、地域コミュニティーなどの生活の土台は地域圏連携をして整えていくとした。さらに今後の取り組みとして、医療機関や商業施設を循環する新たな公共交通ネットワークの構築や子ども向け紙おむつの無償化、自伐型林業による地域の荒廃山林の整備促進と木材資源の徹底活用などを挙げ、「市民の皆様が安心して暮らせる、このまちで子どもを育てて本当に良かったと思える小田原、すなわち市民が誇れるまち小田原を目指していく」と語った。

最後に加藤市長は「市民の誰もが安心し、そして誇りと希望を持って暮らすことのできる未来へと続く道をともに拓いてまいりましょう」と議会と市民に呼び掛けた。