これにより、乙武、須藤、酒井氏以外で東京15区の立候補予定者や擁立の調整が進んでいるのは維新・金澤結衣氏(33)=元会社員=、参政党・吉川里奈氏(36)=看護師=、日本保守党・飯山陽氏(48)=イスラム思想研究者=、政治団体「つばさの党」・根本良輔(29)=党幹事長=、無所属・秋元司氏(52)=元衆院議員=の6人となる。

組織票で優位の乙武氏に「女性問題」の不安

この顔ぶれの中では、同区でも圧倒的な人気を誇る小池都知事をバックに出馬し、自民も支持表明している乙武氏が「組織票も含めて最も優位な立場」(選挙アナリスト)とみられている。

ただ、過去に女性問題を起こして「涙の謝罪」でザンゲした乙武氏については、公明党が支援に慎重なのが「大きな不安要因」(都民ファ選対)だ。公明党東京都本部代表の高木陽介政調会長は3日の記者会見で、乙武氏について、「(女性問題で)地元の声は大変厳しい状況だ」と指摘するなど、支援見送りの可能性も示唆した。

そうした中、乙武氏は8日の記者会見で「無所属での出馬」を正式に表明したうえで、「誰よりもサポートを受けることの重要性を実感してきた私だからこそ、政治によってを人々をサポートしていきたい」と熱っぽく有権者の支持を訴えた。

立憲民主も、8日に共産が候補を取り下げたことで、同党と野共闘態勢は確保したものの、酒井氏と須藤氏の“競合”で、「支持票が分かれて当選の目途が立たない」(党選対)と頭を抱える。同党内ではもともと、須藤氏を推す声が根強かったが、「前回都知事選での党方針に反して離党したことを問題視する党執行部が、最終的に酒井氏に乗り換えた」(同)のが実態とされる。