実は、よしみとのお見合いに関しては、女性からも交際辞退が来ていた。

「お写真は若々しかったけれど、お会いしたら年相応の見た目でした。会話もおじさん感が否めず、ジェネレーションギャップを感じました」と、辛辣な辞退理由が記されていた。お互い様だったようだ。

こんな厳しい状況のなかでも、しょうじの「子どもが欲しい」という気持ちは変わっていない。「やるだけやって結婚できなかったら、1人で生きていきますよ」と言う。

「子どもを授かる結婚ではなく、パートナーと2人で暮らす結婚は、選択肢にないのですか?」と尋ねたのだが、「自分にとって結婚の目的は、子どもを授かること。それが不可能なら結婚しなくていい」と、かたくなだった。

しょうじが仮に30代の女性と結婚できたとしよう。ただ、子どもができるかどうかは運もある。不妊治療などあらゆる手を尽くしたけれど、子どもを授からなかったという結果だってありえる。そうなったとき、しょうじは子どものいない結婚を受け入れられるのだろうか。

“子どもが欲しい”という気持ちを手放したら、もっと楽に婚活ができるのだろうが、今のしょうじにこの言葉は届かない。

子どもを望むアラフォー女性も

子どもを授かるということでは、男女ともに年齢のリミットがある。

男性は60代になっても父親になっている人がいる。人間国宝の故・歌舞伎役者は、74歳で父親となって話題になった。だが、これは稀なケースだ。

女性の場合、子どもが授かれるリミットは閉経までといわれている。ただ40代になると妊娠率はグンと下がり、男性よりも女性のほうが子どもを授かれる期間が短い。

そんななかでも相談所にやってくるアラフォー女性は、「(子どもを授かる)最後のチャンス」という人が多い。

さとえ(40歳、仮名)が、入会面談にやってきたときのことだ。

「37歳から38歳まで、1年ほどお付き合いしていた4歳下の男性がいたのですが、その間に結婚話がまったく出なかったんです。何かおかしいと思ったら、彼が二股をかけていたことがわかって。私から別れを切り出しました」

大手メーカーに勤めているさとえは、年下男性の2倍近い年収があった。分譲マンションもすでに購入していて、デートはもっぱらさとえの家。男性の懐事情に気を遣って、お金のかからないデートをしていた。

ところがそんな思いを踏みにじられ、二股をかけられただけでなく、年下女性には彼がお金を使っていたことがわかった。それを知って、さらに怒りと憎しみが増した。