特に味覚が育つ前の子どもが加⼯食品ばかり食べていると、いつの間にか味覚音痴になり、それが原因で偏った食事をしてしまうことも危険視されています。

最終的には自分の身体が求めるほうを選ぶ

私は個⼈的に、味には「脳」が喜ぶおいしさと、「身体」が喜ぶおいしさがあると考えています。脳が喜ぶおいしさとは、たとえば、疲れて甘いものを欲したときのチョコレートやケーキを食べたときのおいしさ、ストレスが溜まったときのビールのおいしさです。舌や脳が満足する、刺激的で中毒性のあるおいしさですね。

一方で、「身体が喜ぶおいしさ」とは、朝に飲む味噌汁やぬか漬け、旬の野菜でつくったおひたし、消化が悪いときに食べるおかゆなど、「身体にしみわたるなぁ」という感覚のおいしさです。刺激はなく地味だけれど、ほっこりするようなおいしさです。

大事なのはどちらが良い・悪いではなく、今身体がどちらを求めているかだと思います。たとえばストレスがたまっているときには、ついジャンキーなものを食べたくなりますよね。そのとき何を食べたくなるかは、自分自身の状態のバロメーターでもあります。

要するに食品選びでは、「世間でどう言われているか」といったことではなく、自分自身がどう感じるか、何を身体に入れたいかという感覚が一番大事なのではと思うのです。

著者:あるとむ