自然食品店を訪れるお客様の中には「絶対に無添加のものでないとダメ」「オーガニック以外は食べない」という考えを強く持った方もいらっしゃいます。

かくいう私も、自然食品の業界に入ったばかりの時はかなり思想が偏った時期がありました。「そんなものを食べたら病気になるよ」とお客さんにひどいことを言ってしまったこともあります。しかし長年この仕事に携わっているうちに、食べものに気を付けているのに体調を崩す人も多く見てきました。ストイックになりすぎるあまり、ストレスを抱えて体調を崩してしまっては本末転倒です。

野菜の栽培方法などと同じように、どんなふうに食品がつくられているかを知ったうえで、自分で優先順位をつけて食を選んでいくことが大切だと思います。

添加物があるから、食品のコストを抑えられる

⾷品添加物とは、「⾷品を製造する際に添加する物質」のことを言います。その目的は主に、⾷品の加⼯(⾊づけ・味つけ・⾹りづけなど)や保存のために使われているものです。現代の⾷生活は⾷品添加物なしでは成り立たないといわれるほど、さまざまな⾷品に使われています。

たくさんの種類がありますが、厚生労働省は大きく4種類に分類しています。このうち、「既存添加物」「天然⾹料」「一般飲⾷物添加物」は天然添加物と位置づけられています。

植物や海藻、昆虫、細菌などからつくられているものですが、その製造過程では薬品などが使われる場合もあります。対して、「指定添加物」は主に石油を原料として化学合成されたものもあるため、合成添加物と呼ばれることが多いです。

『食の選び方大全』より引用