また新たに失敗したり苦労したりすることがあっても、以前に一度失敗を経験していると、自分はあの苦しさに耐える力があったのだから、今度もなんとか乗り越えられるだろうと考えることができ、「大丈夫、何があってもやっていけるさ」という自信につながります。

失敗を恐れない気持ちになるには、このような「失敗しても自分はなんとかなる」という自己肯定感が必要なのです。  

「誰かのために」が勇気のもと

それだけではありません。

自分が持っているものを失いたくない、損したくない、苦労したくないと失敗を恐れるのは、自分の利益を守ろうとする「利己心」にとらわれているからです。

そんな利己心にとらわれていると、失敗を恐れすぎてしまいます。

そこで、少しだけ利己心から解放されるように意識してみましょう。すると、もう少し柔軟にいろいろなことに挑戦できます。それによって人生の可能性が広がっていくのです。

自分の利益のためだけでなく、社会がよくなるように、困っている人に役に立つように、もっと人々の暮らしが便利になるように、など、少し利他的な気持ちを持つようになれば、挑戦する意欲が湧いてきて活動範囲が広がります。

失敗を恐れすぎるのは、利己心にとらわれているからです。利他心にスイッチを入れれば、リスクを取る勇気も湧いてきます。

著者:坂東 眞理子