広島市が、アストラムライン延伸計画の説明会を開きました。SNSでは様々な声が上がっています。

1.7kmのトンネル建設

 アストラムラインの延伸計画をめぐり、広島市は2024年3月24日から4月7日にかけて沿線住民や地権者を対象に説明会を開き、具体的な計画の内容を明らかにしました。これに対し、SNSでは様々な反響が寄せられています。

 アストラムラインは、広島市北西部の宅地化に伴う人口急増に対応するために導入された新交通システムです。現在は、市中心部の本通駅から郊外の広域公園前駅までの18.4kmを約37分で結んでいます。

 延伸区間(新交通西風新都線)は、広域公園前駅から五月が丘団地や石内東地区、己斐地区をクネクネとカーブしながら南へ進み、西広島駅までを結びます。

 延長は7.1kmで、うち高架部が約5.0km、トンネル部が約1.7km、土工部が約0.4kmです。五月が丘団地に五月が丘1と五月が丘2、商業施設「ジ アウトレット広島」の敷地内に石内東、己斐峠のトンネルをくぐった先の己斐地区に己斐上と己斐中、終点の西広島の6駅(いずれも仮称)が設置されます。また、広島修道大と五月が丘団地の間には、車両基地も新設されます。

 市によると、延伸区間の想定利用人数は1日あたり9100人。概算事業費は約760億円です。費用を節約するため駅部を除き単線とし、最急勾配も5.9%に抑えます。

 アストラムラインの西広島駅(仮称)は、JRと広電の間に設置し、改札のある2階の通路でJRや広電の駅と連絡します。

 市は延伸区間の整備効果として、交通結節点である西広島駅や、西風新都・市北西部方面などへのアクセス性の向上をはじめ、移動時間の速達性・定時性の確保、地域活性化、西風新都の開発促進、西広島駅周辺の都市機能集積を挙げています。五月が丘団地から西広島駅までの所要時間は、現在のバスより25分短縮し、13分になる見込みです。

 この延伸計画に対しSNSでは「早くて12年後?」「先すぎる」「遅きに失した感が強い」「都市計画、遅いんだよなぁ、広島」など、開通まで時間がかかることへの不満を示す人が複数いました。

 また「需要はあるのか?」「単線が後々に後悔しないか」といった疑問や、「延伸したら、バスや自家用車でジアウトレットに行かずに済む?」「西広周辺が便利になりそう」と期待を示す人もいました。

 市は今後、環境影響評価のほか都市計画法、軌道法の手続きも並行して進め、2027年度から用地買収や工事に着手し、2036年度の延伸開業を目指すとしています。