歌舞伎俳優の尾上菊五郎(81)、尾上菊之助(46)、尾上丑之助(10)が27日、都内で記者会見を開き、菊之助が八代目尾上菊五郎、丑之助が六代目尾上菊之助を襲名することを発表した。来年5月の東京・歌舞伎座を皮切りに襲名披露興行を行う。また、現在の七代目菊五郎も引き続き菊五郎を名乗るといい、菊五郎は“2人体制”となる。
菊之助は、昨年4月に父・菊五郎から「お前、継げよ」と言われたことを明かし、「重い責任だと思ったけど、すぐに先祖の墓参りをして報告しました。歴代の菊五郎は名優がそろっているのでプレッシャーもあります。菊五郎の名に似合うように、とにかく精進していく所存です」と気を引き締めた。
菊五郎は、このタイミングでの襲名について「2年前に脊髄の病気になって、舞台を休み休みになって、菊五郎という名前はいつも元気に働いていないといけないという思いがあったので、この際、せがれに菊五郎を継いでもらおうと思った」と説明。自身も引き続き菊五郎を名乗ることについては「私は52年間名乗らせていただいた名前を今更変える気がなくて、七代目菊五郎のまま歌舞伎人生の幕を閉じたい。それまでは一生懸命私も負けずに務めてまいりたい」と語った。
息子に対して「私のできなかった時代物、世話物、新作と、どんどん挑戦してもらって、菊五郎の名前をもっともっと大きくしてもらいたい」と期待を込めた。
六代目菊之助を襲名する丑之助は、「これからもより一層の努力をして、名前に負けない役者を目指します。どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶した。