長年にわたり介護してきた85歳の妻を殺害した罪に問われた、80歳の夫の裁判。携帯電話には、夫の“激しい葛藤”が残されていました。

■80歳夫 老老介護の末に妻殺害か

吉田友貞被告(12日 弁護側被告人質問)
「もう、2人で死ぬより仕方ないと考えていました。節子を楽にした後、私も死のうと思っていました」

いわゆる“老老介護”の末に起きた殺人事件の裁判が東京地裁で開かれました。

裁判を傍聴した岩下耀司記者
「吉田被告は、高齢で耳が聞こえづらいのか、法廷内でのやりとりを聞き逃さないように、右耳に手を添える形で、終始、険しい表情で話を聞いていた」

吉田友貞被告(80)。去年、東京・世田谷区の自宅で妻・節子さん(当時85歳)の首を両手で絞めた後、電源コードを首に巻きつけて殺害した罪に問われています。
裁判では、認知症の症状がある妻の介護で、夫が思い詰めていった経緯が語られました。

■「死ぬより仕方ない」法廷で経緯語る

吉田友貞被告(12日 検察側被告人質問)
「理路整然としてしっかりしている。グループがあればリーダーもやっていた」

吉田被告がこう表現したのは、自身が50歳の時に結婚した、5歳上の妻・節子さんについて。

変化があったのは、2016年。70代後半になっていた妻の視力が低下し、ほとんど目が見えなくなっていきます。さらに、去年には要介護1の認定を受けました。

妻の状態について、吉田被告は…

吉田友貞被告(12日 弁護側被告人質問)
「調子が悪い、興奮した時には、雨でも出ていくことがあった」

節子さんはヘルパーの支援も受けていましたが、自宅での介護を担ったのは吉田被告。食事も工夫していたそうです。

吉田友貞被告(12日 弁護側被告人質問)
「硬さと味の好みがあり、カボチャは柔らかく煮直したりしていた。(妻は)米は1合に500(ml)の水が(妻の)希望でした」

ただ、認知症の症状がある妻の言動は変わっていったといいます。

吉田友貞被告(12日 弁護側被告人質問)
「ここ2、3年、私が隣の奥さんとか、端の部屋の奥さんとか、自転車で女に会いに行っていると言うようになりました。(事件10日前)言動がだんだんと支離滅裂になった。もう2人で死ぬより仕方ないと考えていました」


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