ゴールデンウィークに読んでおきたい話題の漫画をお届けする。本作は、原作・雨穴「変な家」のコミカライズ版。2024年3月8日には、待望の第3巻が発売された。YouTubeは2000万再生を超え、原作小説、映画化の大ヒットとともにコミカライズも「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2024」で男性部門賞を受賞するなど大きな反響を集めている。今回は作画を担当する、漫画家・綾野暁さんにインタビューを行った。



オカルト専門ライターの元にもたらされた、ある家の「間取り図」。一見ごく普通の一戸建て住宅だが、知人の設計士・栗原に意見を求めると「この家には、変なところがある」と話し始め…。

■キッチンにある「謎の空間」、2階の真ん中にある「子供部屋」この家は何かおかしい?

本作は「間取り図」のどこがおかしいか?という問いかけから始まる。知人が持ってきた一戸建ての間取り図は、一見普通にしか見えないが建築設計士・栗原に意見を求めると、キッチンにある「謎の空間」や2階にある「子供部屋」がおかしいと指摘した。

「いったいどこがおかしいのか?」読者を引き込む展開で始まる、間取り図から読み解くミステリー。今回は作画を担当することになった経緯やこだわったところについて綾野さんに話を聞いた。


――原作が大ヒットした「変な家」ですが、コミカライズ版を描くことになった経緯を教えてください。

公募でした。まさか自分が描くことになるとは思わず、記念受験のような気持ちで応募しました。


―― YouTube動画・ネット記事から始まり小説化、コミカライズ、映画化とたくさんの方に周知されている作品となっています。コミカライズで綾野さんがこだわったところがあれば教えてください。

内容上、不気味に描くことはもちろんあるのですが、ホラーにならないように心がけてはいます。また、本編内容とは関係ないのですが、雨穴先生の小ネタを散りばめるのは楽しいです。


――コミカライズならではのオリジナルのシーンや演出で、特に見てもらいたいところを教えて下さい。

第3巻の最後に片淵家のお屋敷に向かう怪しい男が出てきます。彼がどういう人物なのかを今後描写していきますのでお楽しみください。…それか、やはりそばを打つ栗原さんでしょうか。

――漫画では主人公が年齢性別不詳の人物として描かれていますが、キャラクターを作り上げるのに難しかった点はありますか?

デザインするにあたって、雨穴先生から雰囲気が離れすぎないように工夫しました。 栗原さんは描くのがシンプルに難しいです。
――「変な家」は間取りを見ただけで気持ち悪いと思わせる展開ですが、描き方でこだわったところがあれば教えてください。

ありがとうございます。第8話で「三軒目の家」が見開きで出てくるのですが、一見ありそうなリアリティの、いい塩梅で描けたと思います。
――読者のみなさんにメッセージをお願いします。

漫画は読者の皆様のおかげで続いております。いつもありがとうございます。これからも変わらぬご声援をどうぞよろしくお願いします。

キッチンにある謎の空間からはじまり、間取り図から実際の建物を想像すると…?以前に住んでいた住人の奇妙な生活が浮かび上がってきた。本作の続きは、comic HOWLで連載中だ。

取材協力:綾野暁(作画担当)