【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は29日、大統領室庁舎で最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表と会談し、大学医学部の入学定員を増やす必要性で一致し、会談を続けることにした。ただ、医学部の入学定員増以外の懸案では立場の違いを見せた。

 韓国政府は医師不足などの対策として大学医学部の入学定員を3058人から2000人増やす方針を打ち出したが、2月末から全国の研修医が職場を離脱しているのに加え、医学部教授らが一斉に辞表を提出するなど混乱が続いている。

 大統領室の李度運(イ・ドウン)広報首席秘書官は記者会見で、「尹大統領と李代表は合意には至らなかったが、大局的に認識を共にした部分はあった」として、「医療改革が必要であり、医学部入学定員の拡大は不可避ということで認識を共にした」と明らかにした。「李代表は医療改革が急がれる課題であり、大統領の政策方向が正しく、民主党も協力するとした」と伝えた。

 また、「尹大統領と李代表は今後もたびたび会うことにした」と明らかにした。

 ただ、「(尹大統領と李代表は)国民生活が最も重要な政治的・政策的な懸案ということでも認識を共にした」としながらも、「国民生活をどのように改善するかを巡っては大統領室と野党の政策的な違いがあることも確認した」と述べた。尹大統領は与野党と政府による協議体などが必要との考えを示したが、李代表は「まず国会を活用しなければならない」と述べたという。