【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は10日、市民団体や宗教団体などを担当する大統領室の市民社会首席秘書官に田光三(チョン・グァンサム)元市民疎通秘書官(56)を任命した。市民社会首席秘書官の任命により、第3次大統領室の人事が完了した。

 大統領室の首席秘書官らは4月の総選挙で与党「国民の力」が惨敗したことを受け、総選挙翌日に辞意を表明していた。

 尹大統領は大統領秘書室長や政務首席秘書官らを交代。民情首席室を復活させ、トップの民情首席秘書官を任命した。尹大統領は就任後、検察など捜査機関や情報機関を統括し、大きな権力を握っていた民情首席室を廃止したが、世論の動向を把握できなかったことが総選挙敗北の原因との指摘を受け、世論動向などの情報収集を行う民情首席室の復活を決めた。市民社会首席秘書官は廃止が検討されていたが、市民団体や宗教団体などとの意思疎通の窓口が必要という意見を受け、存続することになった。

 大統領室は3室長(秘書室・政策室・国家安保室)・6首席秘書官(政務・広報・市民社会・経済・社会・科学技術)体制から民情首席秘書官が加わった3室長・7首席秘書官の体制となった。尹政権発足時の2室長・5首席秘書官体制から拡大した。

 大統領室の人選が終わり、尹大統領は辞意を表明した韓悳洙(ハン・ドクス)首相の後任選びなど内閣改造に着手するとみられる。