藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が挑戦者の豊島将之九段(34)に連勝した、将棋の第82期名人戦7番勝負第3局が8日午前9時からの2日制で東京都大田区「羽田空港第1ターミナル」で始まった。全国97カ所ある空港で、将棋の対局が行われるのは初めてだ。先手後手は事前に決まっており、今局は藤井が先手。

日本将棋連盟前会長で立会人の佐藤康光九段が対局開始を告げる少し前、藤井は気持ちを落ち着けるかのように、お茶を口に含んだ。対局開始を告げられ、一礼した後も、いつものように「初手お茶」の後、飛車先の歩を突いた。対する後手の豊島は角道を開けた。

今シリーズはここまで藤井の連勝。とはいえ1、2局とも終盤まで豊島が押し気味に局面を進め、藤井がひっくり返して白星をつかんでいる。7日に同所で行われた前夜祭で「1、2局と課題の残る将棋だった。それを踏まえてよりよい将棋を指したい」と話していた。一気の3連勝で初防衛まであて1勝とできるか。

持ち時間は各9時間。初日の封じ手は午後6時30分の時点で手番の側が行う。昼食休憩は両日とも正午から午後1時。2日目は午後5時から30分の夕食休憩がある。両日ともに午前10時と午後3時におやつが出される。決着は9日夜の見込み。