スライスが減り、球がつかまるようになって喜んだのも束の間、今度はフックが出やすくなってしまった経験はないだろうか。ストレートボールが打ちたいだけなのになんで? と頭を抱える人もいるだろう。かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏いわく、「フックには3つの種類があり、どれに当てはまるかで直し方が変わってきます」という。えっ、フックってそんなに違いがあったの?


「ではまず、3つのフックの違いを説明しましょう。①が目標に対して真っすぐ飛び出した後にフックする球。②が目標より右に飛び出した後にフックする球。③が目標より左に飛び出した後にフックする球です。なぜこのように3つもフックが存在するのか、それは球が“インパクトでクラブが振られた方向”にまず飛び出し、その後、“フェースが向いていた方向”に曲がるからです」

つまり、①〜③のフックをストレートボールに直すには、軌道とクラブフェースの向きを整えればいいのか。

「一つずつ確認すると、①は目標に真っすぐ飛び出しているので軌道は問題ありません。しかし、フェースが被って当たっているため、ここが修正ポイント。②は目標より右に出るものの、球は目標に戻ってきているのでフェースの向きはOK。直すなら飛球線をインサイド・アウトに横切ってしまう軌道のほうです。そして、③のように目標より左に飛び出し、さらに左に曲がるのは、アウトサイド・インの軌道になっていて、フェースも被っているから。この場合は軌道、フェースの向き共に直す必要があります」

③は左のミスで嫌なヒッカケの症状だ。軌道もフェースの向きも違っているのに一体どうやって直せばいいのか。

「③のフックは、出球を揃えることから始めましょう。まず、ティアップした球の先、30〜40センチのところに3つのボールを並べます。出球が中央のボールの真上を通過すればストレート軌道。左のボールの真上を通過すればアウトサイド・イン。そして、右のボールの真上を通過すればインサイド・アウト軌道ということになります。③のフックが出る人は、右の球を狙って打つ練習をしてみてください。ストレートボールを打ちたいからといって、最初から中央を狙うのは厳禁。体に染みついたクセは頑固な油汚れと一緒で、簡単には直りません。スイングを変えるならオーバーに矯正していく必要があります」

インサイド・アウト軌道を練習して次にストレートボールなど、さまざまな軌道を試すことで、どうやったら球が曲がるかのメカニズムも分かってくる。それを知っているかいないかで、ゴルフの結果も変わってくるので、スコアアップを目指す人は実践してみて欲しい。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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●チェックポイントをいくつも意識していると、動きがぎこちなくなってしまうことも……。それよりも、「○○○のように振ってみて」と言われた方が、イメージが広がって良いフォームになることがあるのでは? 関連記事【豆腐、アイス、弓矢にメンコ……アナタに合うのはどれ〜】がオススメ!


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