女性のキャリアについての気になる悩みや疑問に、正社員で長く働きたい女性のための転職サイト『女の転職type』の編集長である小林佳代子が回答。今回は「女性の上司との付き合い方」について。

(質問)
転職したら上司が女性でした。女性上司のもとで働くのが初めてなので不安です。うまく付き合うコツはありますか?

(回答)
上司との関係性において、性別による差はありません。ただし、これまで女性管理職がいない職場だったのであれば、新しい職場は企業風土が大きく異なることが考えられます。環境に応じたコミュニケーションや仕事の進め方を心がけましょう。

詳しくは以下で解説します。

■性別による偏見は捨て、上司の人となりで判断して
不安の根底に、「女性は論理より感情」「女性は女性に厳しい」のような根拠のないバイアスがかかっていませんか? 上司の性格、マネジメントスタイルには個別差がありますが、それは性別が理由ではありません。上司自身の人となりを見るようにしましょう。

また、これまで女性上司と関わることがないなど、男性中心の職場にいた場合は企業風土が大きく異なることが予想されます。これまでの常識やルールが通用しないことが考えられるので、周囲のメンバーと積極的にコミュニケーションを取り、意思決定のプロセスや、独自の社内ルールがないかなどを注意深く観察するように努めましょう。

■新しい環境で上司とうまく付き合うコツ
そもそも職場は仕事をする場なので、過剰に上司と仲良くなる必要はありません。上司や会社から何を求められているかを理解し、成果を出すことを心がけることが大切です。

そのうえで、上司と良好な関係を築くコツは、やはり「報連相」です。特に入社したばかりの時期は仕事の進め方などが前職と違うことが予想されるので、小まめに状況を報告することを心がけましょう。効率的な仕事の進め方を教えてもらえたり、「安心して仕事を任せられる部下」という評価につながったりします。

また、複数のメンバーを抱えているなど多忙な上司の場合、部下の様子を逐一把握するのは難しいものです。自分からあいさつをしたり、すれ違う時にちょっとした一言を交わすだけでも、こちらの状況を伝えることができます。

■女性上司ならではのメリットも
先ほど「上司とうまくやるコツに性別は関係ない」と述べましたが、生理や出産、育児など、女性ならではの悩みを相談しやすい点は同性の上司ならではのメリットといえます。自身が管理職を目指すのであれば、そのロールモデルもしくは反面教師にすることもできるでしょう。

今後はさらに女性の管理職登用が増え、「上司が女性」という状況が当たり前の未来が訪れるかもしれません。「女性だから」とひとくくりにするのではなく、その人の人となりやタイプを理解し、コミュニケーションを取るスキルを身につけましょう。そして、成果を出すことで期待に応えることを心がけると、どの職場にいってもスムーズになじむことができると思います。

この記事の筆者:小林 佳代子
新卒でキャリアデザインセンター入社。転職情報誌および転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。2018年『女の転職type』編集長に就任。プライベートでは2児の子育て中。