ゴールデンウィークが明けると、心身の不調を抱える人たちが増えがち。休み明けに不調が深刻化するだけでなく、連休前からじわじわと溜まっていたストレスが限界を迎えるケースもあるでしょう。今回はメンタル心理カウンセラーである並木まきが、女性たちが直面した連休明けの不調エピソードをご紹介します。

「合わない」と感じていた会社を1年ちょっとで退社

「入社時から『自分に合わない』って感じていた会社に勤めていたのですが、親に相談したら『何があっても、3年は勤めなさい』と言われたので、ずっと我慢をしていました。
でも入社1年を過ぎたときの連休に、会社に行かなくてもいい解放感がすごくて、しばらく感じていなかった伸び伸びとした気持ちを取り戻したんです。連休の終わりが近づくにつれて、また会社に行かなくてはいけないのか…と思ったら、どんどん気分も沈んできて。それでも連休後に頑張って出社していましたが、どんどん『私は何のために、こんな我慢をしてまでここで働いているんだろう?』って疑問が大きくなっちゃったんです。思い切って転職をしたほうが、幸せになれるのではないかという結論に至りました。
そうと決めたら後先を考えずに、その日のうちに退職の意向を上司に伝えました。社内では私が五月病で辞めたって噂になったらしいですが、あのまま働いていたら本格的にメンタルを壊していた気がします。あれから何年も経ち、当時の決断は間違っていなかったと確信しています」(33歳・女性/IT)

周囲からは勢いで辞めたように見えても、本人が熟慮の末に決断したことであるケースもあります。将来的に自分が壊れそうな危険を感じているならば、どこかで踏ん切りをつけて自分の幸せを求める行動も大切です。それによって周囲がどんな噂を流そうとも、気にしないことが一番でしょう。

彼氏と会うのが面倒になった

「連休を一緒に過ごした彼のことが、連休明けにすごく面倒に感じたことがあります。最初は『倦怠期?』って思ったのですが、時間が経つにつれて、どんどん彼のことがイヤになってしまって。
それまではお互いに仕事が忙しくて、まとまった時間を一緒に過ごしたことがありませんでした。でも、連休になって初めて何日も一緒に居たことが引き金になって、私の気持ちは完全に冷めちゃったんですよね。連休明けには、彼の存在がストレスでしかなくなっていました。
『彼に申し訳ないから、また好きにならなくちゃ』と義務感もあって当時は焦りましたけど、結局私の気持ちが彼に戻ることはありませんでした。今思い返しても、すごくストレスが大きかった思い出です」(34歳・女性/自由業)

連休中、普段とは異なるスタイルで恋人と過ごすことによって、これまでには感じたことのない違和感が生じることもあります。こういったシグナルは自然なことなので、無理に打ち消そうとすると余計にストレスになる場合も。彼との相性を見極めることができてよかった、と前向きに捉えていきましょう。

仕事でミスが増えた

「普段から仕事が忙しいので、連休にはなるべく予定を入れずに寝溜めをしたりぼーっと過ごしたりするのですが、ある年の連休明けは、それまでに経験したことがないくらい“連休ボケ”が抜けなくて困りました。
自分でも呆れるくらいにあまりにもミスを連発するので、体調が悪いことにして仕事をサボった日もあったくらいです。“これ”という原因も思い浮かばず、どうしたものか…と悩んでいたのですが、気づいたら連休ボケを抜けていたのでよかったです。
でも、今振り返ると仕事で相当なプレッシャーがかかっていた時期と重なるんですよね。多分、自分でも気づかないうちに体がもっと休みたがっていたのかも…という気がしています」(37歳・女性/経営コンサルタント事務所)

自分らしくない行動が増えているときには、負担がかかっているサインであることも。無理をし続けると、あとになって深刻な状況にもなりかねないので「おかしいかも?」と感じたら、連休だけにこだわらずに少し休息をとることも大切です。

連休明けには、ちょっとした不調を抱える人が少なくありません。“これ”という理由が思い当たらないときには、体からの警告シグナルが出ていると捉え、生活サイクルを改善したりオンの日にも少しだけ休息時間を増やしてみたりするといいでしょう。「しんどいな」と思ったときに、無理は禁物! 自分だけで解決が難しそうな場合には、早めに専門家の助言を求めてもいいかもしれません。

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文・並木まき