May.03 – May.09, 2024

Saturday Morning

Title.
Ciaconne
Artist.
José Miguel Moreno 土曜の朝の柔らかい日差しが入ってくる頃に、バロックリュートの柔らかい音色に包まれたくなる。
ドイツ後期バロック音楽の作曲家シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスのリュートの曲の中でも、抒情的で温かさを持っている楽曲。ヴァイスの楽曲は色々なリュート奏者が演奏されている中、スペインの撥弦楽器奏者ホセ・ミゲル・モレノの演奏は、柔らかいアタックと滑らかなフレージングの演奏が特徴。ゆったりとした時間が進み、次第に煌びやかなフレーズが折り重なり、何か良いことが起こりそうな休日が始まる予感。(磯部)
アルバム『Ars Melancholiae』収録。

Sunday Night

Title.
Cantata, BWV 208: No. 9, Schafe können sicher weiden (Arr. for Piano)
Artist.
Khatia Buniatishvili 僕は居眠りをした。窓の外から川の音が重なり、鳥が音楽に合わせるように鳴き、心地よくて、つい。
「羊は安らかに草を食み」というタイトルと柔らかい曲調から、晴れの中で羊がゆったりとしている情景が思い浮かんでくる。
日曜日の夜に聴きたい音楽。夜に、昼を想うのもいい。日曜の夜の憂鬱。この柔らかく優しく、あたたかかな曲と共に、思い浮かんだその情景の中で、羊を数えてみてほしい。この曲のように、情景が思い浮かぶような音楽は、我々が目指すテーマでもある。
様々な楽器での演奏や編曲があるが、僕は極力ゆっくり弾いているものが好み。ピアノには、羊毛が使われている。改めて、羊に感謝をしたい。そして僕も、羊のような柔らかな音色を出したい。(柳平)
アルバム『Motherland』収録。

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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音楽家 いろのみ

柳平淳哉(Piano)と磯部優(Programming, 17strings)によるユニット。ピアノと弦楽器、そして有機的なエレクトロニクスによって「季節のさまざまな色の実を鳴らす」ことをコンセプトに活動する。これまでに〈KITCHEN. LABEL〉〈STARNET MUZIK〉〈涼音堂茶舗〉〈ironomi rec〉より計12枚のアルバムをリリース。2015年12月には中島ノブユキ、沢田穣治、haruka nakamura、Aspidistrafly をはじめとする様々なコラボレーターを迎えた7thアルバム『虹』を〈KITCHEN. LABEL〉よりリリース。2024年3月には、12作目となるアルバム『四季』を〈ironomi rec〉よりリリース。冬から春に移り変わる景色、初夏の瑞々しさ、秋の実りの喜びと染まっていく山々。それらの色が巡り、星へと瞬いていく物語。活動16年目にして初めて「四季」をテーマに作品を制作。