原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選びをめぐって、佐賀県玄海町議会が文献調査を求める請願を採択したことを受け、経済産業省は30日、同町に対し調査の実施を5月1日に申し入れる考えを伝えた。

 文献調査は、3段階の選定プロセスの1段階目にあたり、市町村が応募するか、国の申し入れを市町村が受諾するかの二つのパターンがある。

 町関係者によると、30日午前、同省資源エネルギー庁の担当者から脇山伸太郎町長に、申し入れの意向を伝える電話があったという。

 今後は脇山町長が受諾するかどうかが焦点となる。請願が採択された4月26日、町長は「熟考しなければならない」と述べ、5月中に決断する考えを示している。

 文献調査は、これまで北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村で実施され、寿都町は応募し、神恵内村は申し入れを受諾する形をとった。いずれも今年2月に原子力発電環境整備機構(NUMO)が調査の報告書案を公表し、2段階目の概要調査に進める候補地があるとしている。(森田博志)