栃木県那須町の河川敷で4月、会社役員夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、夫妻が東京都品川区の空き家で襲われたとみられる時間帯に、警視庁が首謀者とみる男（32）の車が空き家近くの防犯カメラに映っていたことがわかった。車は短時間で走り去っていた。

　男は「現場には行っていない」と供述。警視庁と栃木県警の捜査本部は、夫妻に暴行を加えたのは男の依頼を受けた別の男らとみている。

　夫妻の長女の内縁の夫で会社役員の関根誠端（せいは）容疑者=東京都世田谷区=は4月16日未明から朝までの間に、共謀して宝島龍太郎さん（55）と妻の幸子さん（56）=東京都千代田区=の遺体に火を付け、損壊したとして6日に逮捕された。捜査本部は、関根容疑者と夫妻が経営上のトラブルを抱えていたとみている。

　夫妻は15日夜、関根容疑者らと4人で品川を訪れていた。夫妻は16日午前0時ごろ、不動産会社役員の前田亮容疑者（36）=千葉県船橋市=のレンタカーで品川区の空き家に移動。実行役2人と接触し、暴行を受けたと捜査本部はみている。

　捜査関係者によると、同じ時間帯、関根容疑者の車が空き家周辺を一周し、走り去る様子が付近の防犯カメラに映っていた。捜査本部は関根容疑者以外が暴行を加えたとみて調べる。（遠藤美波、長妻昭明、藤田大道）