6月9日投開票の鳥取県智頭(ちづ)町長選と町議補選で、全国初となる投票所でのオンライン立ち会いを導入する県と町は9日、町内でリハーサルを実施した。オンライン立ち会いは、人口減などによる投票立会人確保の難しさから投票所が減ることを防ぐ狙いがある。

 この日はカメラを設置した移動式投票所と町役場をオンラインで結び、役場で立会人役の町職員がモニターで投票を監視。移動式投票所内にも1人、立会人役を置いた。二重投票の可能性がある有権者が来所したことを想定し、投票所の責任者が2人の立会人に意見を求める場面も。通信の遮断を想定し、現地で新たな立会人を補充選任する手続きも確認した。

 公職選挙法では、投票所には2人以上5人以下の立会人を配置すると定められている。県によると、総務省からは4月下旬、オンライン立ち会いを事実上認める通知が届いたという。通知では、投票所への少なくとも1人の立会人配置や、オンラインでも投票所全体の様子を把握可能にすることなど6項目の順守事項が示されていた。

 全国各地の選挙実務をサポートしている「選挙制度実務研究会」の小島勇人理事長も視察し、「選挙は有権者が投票できてなんぼ。今回のように実質的に対応できていればいいと思う」と話した。見学した鳥取県倉吉市の選挙事務担当職員は、「期日前投票なら選択肢の一つになり得る。導入するかどうかは今後検討したい」とした。(清野貴幸)