東京五輪の選手村を改修した晴海フラッグ(東京都中央区晴海5丁目)やその周辺で、内部に鍵を保管する「キーボックス」が無許可で設置されていることが都などへの取材でわかった。朝日新聞が6月10日時点で取材したところ、敷地内や歩道などの屋外7カ所で確認した。誰が何の目的で設置したのか、記者が現地を取材した。

 晴海フラッグの中心部、2棟のタワーマンションの建設工事が続く足元の交差点。信号機を支える柱のひざくらいの高さに、銀色のキーボックスが2個、取り付けられていた。

■複数見つかるキーボックス マンション敷地内にも

 金属製で、一部が南京錠のような形になっていて、両手に収まるサイズ。暗証番号でロックし、中に鍵などを収納できる構造になっている。晴海フラッグを歩くと、海に面した外周の歩道の転落防止柵でも1個見つけた。

 晴海フラッグは五輪の選手村を改修したマンション群で、東京ドーム3.7個分の敷地にタワマンを含め分譲・賃貸マンションを23棟、5632戸作る計画。今年1月、分譲2690戸の入居が始まった。

 東京都によると、転落防止柵のものについては、無許可で設置され、朝日新聞の取材後に警告文を添付。撤去されない場合は廃棄する。信号機のキーボックスについても無許可とみて、管理する警視庁に撤去するよう対応を求めた。中央区内では他にも似たようなキーボックスが複数設置されているという。