岸田文雄首相は26日、訪問先のソウルで中国の李強(リーチアン)首相と初めて正式に個別会談した。岸田首相は東京電力福島第一原発の処理水放出を受けた日本産水産物の禁輸措置の即時撤廃を求め、処理水問題をめぐる日中間の事務レベル協議を加速することで合意。外相らのハイレベル経済対話や人的交流の拡大による関係強化も確認した。

 岸田首相が会談後、記者団に「戦略的互恵関係の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性に沿い、様々な課題や懸案について進展を図ることを確認した。有意義な会談となった」と述べた。処理水問題は昨年11月、岸田首相と習近平(シーチンピン)国家主席の会談で「協議と対話を通じた解決」で合意し、日中の専門担当者による協議が続いている。