(1日、プロ野球 埼玉西武ライオンズ2―1北海道日本ハムファイターズ)

 復活を印象づける2発だった。埼玉西武ライオンズの若林楽人だ。二回に左中間に先制アーチ。そして同点の九回、「結果を恐れても良いことはない。腹をくくった」。連敗を止めるサヨナラ2ランを左翼へ放ち、ベンチは総立ちに。ダイヤモンドを駆けながら、何度も右拳を強く握った。

 2020年秋のドラフト4位で入団した26歳。1年目は一時、盗塁数でリーグトップに立つなど鮮烈なデビューを飾ったが、5月に左ひざを負傷。術後も痛みに悩まされた。周囲からは「新人の(デビューの)ときのような活躍を」と求められた。ストレスで帯状疱疹(ほうしん)になるほど悩んだ。

 昨オフに再び手術を受け、今季の開幕を迎えたが、結果が出ず2軍落ちを経験。「もどかしかった。もうひざに不安はない。何でも貢献したい」

 この夜の2本塁打はいずれも初球を振り抜いた。「無心で思いっきりいった。試合に出るからには、自分が一番良い選手だと思わないと。自信を持てば良い内容は増える」。吹っ切れて、その自信は増していく。(平田瑛美)