2009年の設立後、国連安全保障理事会で対北朝鮮制裁の実施状況を監視してきた「専門家パネル」の活動が4月30日、終了した。北朝鮮との関係を強化するロシアが3月、拒否権を行使し、1年の任期延長を求める決議案が否決されていた。北朝鮮が進める核・ミサイル開発への監視が緩み、制裁違反が加速する恐れがある。

 この1カ月、多くの安保理理事国が専門家パネルの存在の大きさを強調したが、活動継続はかなわなかった。終了に追い込んだロシアは独自案を提案。ただ、任期延長の条件として安保理が北朝鮮への制裁決議を見直す内容にしたため、支持は得られていない。

 日本の山崎和之国連大使はロシアの拒否権行使が招いた結果に「遺憾だ」と非難した。そして「関連安保理決議の完全な履行に向けて、米国や韓国をはじめとする同志国と緊密に連携しながら、さらなる対応を検討していきたい」と述べた。