日本銀行新潟支店は2日、県内の5月の金融経済動向を発表した。「緩やかに持ち直している」との基調判断を据え置く一方、小林俊・支店長は能登半島地震の影響などを引き続き注視していく姿勢を示した。基調判断の据え置きは11カ月連続。

 個人消費は「一部で弱い動きとなっているものの、回復している」との表現を維持した。小林氏は「値上げによる客単価の上昇、イベント需要の回復、外出機会の増加が続く下で、百貨店・スーパーの販売額の増加が続いている」と評価。1月に発生した能登半島地震については「足元で影響はほぼなくなった」とする一方、「液状化の問題は引き続き(県内の企業から)聞かれており、様子を見ていきたい」と述べた。

 乗用車の新車登録・届け出台数については「緩やかに持ち直している」との表現から「持ち直しの動きに一服感がみられる」へ引き下げた。最新の3月が前年同月比16.6%減と3カ月連続で前年を下回ったためだが、ダイハツ工業の検査不正が影響しているとみられ、小林氏は「必ずしも消費マインドが落ちているという問題ではない」とした。

 急速に進む円安については「県内の経済活動に対するプラスマイナス双方の影響を引き続きよく見ていきたい」と述べるにとどめた。(初見翔)