【山口】岩国基地を一般開放する「フレンドシップデー」が5月5日に開かれる。市外からも多くの人が訪れる恒例のイベントだが、予定されているオスプレイの展示や戦闘機による航空ショーについて爆音訴訟の原告らが反発しており、中止を申し入れた。

 概要を発表した米軍岩国基地と海上自衛隊岩国基地によると、「展示飛行」(航空ショー)は米軍のステルス戦闘機F35Bや航空自衛隊のブルーインパルスが飛行する。基地での「地上展示」は海自の救難飛行艇US2や米軍のFA18スーパーホーネットなどが並ぶ他、沖縄の米軍普天間基地からMV22オスプレイが飛来して展示に加わる。

 これに対し、基地の騒音被害の賠償などを求める2次訴訟を起こした「岩国爆音訴訟の会」は22日、オスプレイの展示の中止、航空ショーについては「爆音が堪えがたい」として中止するか市街地上空を飛ばないことの確約を基地側に求めるよう市に申し入れた。

 オスプレイは昨年、鹿児島・屋久島沖で墜落事故を起こし、飛行を一時停止していた。今回のイベントのために沖縄から飛来することについて、申し入れで「墜落の原因や欠陥指摘への明確な説明、改善策も明らかにせぬまま、なし崩しに飛行させている。飛来は市民の命・安全を脅かす」と指摘した。

 現在、岩国基地に米空軍のCV22が駐機している。地上走行、ホバリング、短時間の飛行という3段階を経て本格飛行に至ると市は国から説明を受けているが、市によると現時点で基地内でのホバリングをしたとの情報はないという。

 12日にイベントの概要発表をした米軍岩国基地のリチャード・ラスノック司令官はオスプレイについて「事故原因が調査済み」として安全性に問題はないとの認識を示していた。22日に申し入れを受けた石本英二・市基地政策担当部長は「安全確保に万全を期しながら慎重に進める、と国から説明を受けている」として、基地側に中止を求めるつもりはないと回答した。(鈴木史)

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 フレンドシップデーの開催は5日午前7時〜午後4時半。入場は無料で午後2時まで。運転免許証などの身分証が必要。駐車場はなく、JR岩国駅発着のシャトルバスの利用を呼びかけている。問い合わせは公式サイト(www.iwakuniairshow.com)や総合案内(0827・79・6227)へ。