鉄道の安全な利用について学ぶ集会が2日、埼玉県立特別支援学校・塙保己一学園(川越市)で5年ぶりに開かれた。半世紀前のホーム転落事故を教訓にしたもので、鉄道事業者との意見交換会もあり、生徒がホームドアの設置などを求めた。

 1974年、16歳の同校の生徒が大宮駅のホームから転落し、亡くなる事故があった。目の不自由な児童・生徒が通う同校では事故の起きた5月2日を「埼盲交通安全の日」と定め、集会などを開いてきた。

 集会には児童・生徒86人が参加。点字ブロック上に人がいたら道を譲ってもらうことや、道に迷ったらためらわず人に尋ねることなど、安全な歩行のポイントを学んだ。

 雪の日に転落しそうになったことがあるという椎野こまちさん(17)は「自分の歩行の技術を見直したい」と語った。

 意見交換には7人の生徒が出席。ホームドアの設置の推進や、バスなど他の交通機関への乗り換え介助などを要望する声が上がった。事業者側は「できる駅とできない駅があるが、検討していきたい」と応じていた。(永沼仁)