国の特別天然記念物のコウノトリのペアが、兵庫県淡路市で今春も営巣し、ヒナの誕生も確認された。見守りをしている同市教育委員会が明らかにした。

 市教委によるとペアが訪れるようになったのは2021年からで、ヒナの誕生とともに4年連続。今春は、3月中旬に産卵、4月中旬に孵化(ふか)を確認したという。

 巣は当初、電柱の上にあったが、市教委は安心して子育てができる環境を整えようと、電柱を関西電力送配電(大阪市)から買い取って人工巣塔(すとう)にする工事を昨秋に実施。今年は人工巣塔での初の営巣となる。

 親鳥は現在、朝から餌を探しに飛び回り、ヒナは6月末から7月上旬にかけて巣立ち行動に入るという。担当者は「無事に成長するよう静かに見守って欲しい」と呼びかけている。(前林以恵)