ありがたいもので、今では毎日の通勤・通学の電車内でも映像コンテンツを楽しめます。YouTubeを掘れば、好きなアーティストのレア音源も無数にあったりして、おすすめ自動再生が止まりません。

しかし、せっかく家にいられる大型連休です。ここはじっくりテレビの前で、ちょっといいスピーカーも用意したりなんかして、上質な市販コンテンツで感覚神経をリフレッシュしようではありませんか。というわけで、楽器好きの私の視点でオススメ作品をピックアップしてみました。

椎名林檎「(生)林檎博'18-不惑の余裕-」

連休初日、もっと言えば連休突入前夜の仕事終わりに見たい1本ですね。デビュー20周年記念となったこのツアーは私も、さいたまスーパーアリーナで実際に見ました。遠い席だったので肉眼ではほとんど見えませんでしたが、それでもこの圧倒的パフォーマンス&絶対的実力にノックアウトされました。

そしてこのブルーレイはまだ買っていなかったので、この際に買いたいなと。とにかく最初の登場が強烈にカッコよくて忘れられず、ブルーレイでも登場部分をずっとリピートしてしまって先に進めなそうな気がしています。あの時の「手旗」(※定番のツアーグッズ。公演中にみんなで揃って振る)、どこに置いたかしら。

ジェフ・ベック「ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラブ」

ジェフ・ベックが亡くなるなんて。誰も想像していなかった2023年1月の訃報から1年が過ぎました。偉大なる孤高のギタリストによる、2007年の大名演です。もし名前をあまり知らない方がいたら、是非ここから見てほしいです。

ベーシストのタル・ウィルケンフェルドは当時20歳。名曲「哀しみの恋人達」では果敢に、そして完璧に構築された長尺のベースソロをカマし、それを父親のような笑顔で見守るベックという図式が最高です。私事ですがジェフ・ベックのコピーバンドでドラムを叩いておりまして、再現時はこのロニー・スコッツのテイクを参考というか目標にしています。ちなみにドラムはヴィニー・カリウタです。超絶です。

ロック・コメディ映画「スパイナル・タップ」

超絶系が続いたのでエンタメ系をひとつ。1984年公開の作品でリアルタイムの評判は知りませんが、今でもカルト的人気を誇る伝説の映画と評されているそうです。1960〜1970年代のロックアーティストの世界観をパロディしたネタが散りばめられているので、そのあたりの音楽に親しんでいるとより笑えます。

これに興味を持ったのは、欧米のギタリストのインタビュー映像などを見ていると「あれはスパイナル・タップみたいな瞬間だった」という表現がしばしば出てくるのです。なので、予備知識として知っておきたいなと思い10年ほど前に観ました。日本ではあんまり通じません(※個人の印象です)。

ジョン・メイヤー「Where the Light Is: John Mayer Live in Los Angele」

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテ、若きスライドギター仙人のデレク・トラックスと並び“現代の三大ギタリスト”と称されています。彼のソロ、トリオ、バンドの3ステージをこの作品1本で楽しめます。さすが世界的に売れているミュージシャンなので映像や音のクオリティも高いですし、エレキギターにも「モテる音」があるんだなあと学びました。

オープニング映像のギター演奏に憧れて私もLine 6のループサンプラー(DL4)を買いましたが、残念ながらジョン・メイヤーにはなれず、その機材は「デジマート・マガジン」(※インプレスグループのリットーミュージック運営)の企画で売却しました。

映画「エレキの若大将」

こちらは日本でエレキブームが起きた1960年代が舞台で、いわゆる“テケテケ”の時代と言えばわかりやすそう。バンド4人がステージに横一列に並ぶスタイルは、今の目には新鮮です。

いわゆる映画的な、ちょっと乱暴な話の展開もあり、それさえ愛おしかったりもする作品です。“おいらはドラマー”でお馴染みの映画「嵐を呼ぶ男」にも近いモノがあるかもしれません。これをGW最終日に見て、カラッとした気持ちで社会復帰したいですね。なお、これ観るときはYouTube「エド山口チャンネル」での予習・復習が必須となっております。こちらも名人芸です。

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