天性の打撃センスを備えるローテ左腕にバットでの期待も高まる

 開幕から好調な山崎福也は、交流戦でも期待大だ。「バッティングが楽しみです」と話すように打撃も得意な左腕は、セ・リーグ本拠地での先発登板試合を心待ちにしている。オリックス時代は通算22打席に立って22打数6安打、打率.273。投手として高打率を残しているだけでなく、特筆すべきは三振数が2個だけだったということだ。

 普段は打席に立たないパ・リーグで本格的な打撃練習を継続的に行っていなくても天性の打撃センスがある。よく知られているのが、日大三高時代の猛打だ。エースとして準優勝に導いた3年春のセンバツでは打者としても計13安打をマーク。1大会における通算安打の最多タイ記録を樹立し“投打二刀流”の活躍だった。

 バットコントロールなどの技術は、そのころから変わらない。「バットは軽いほうが好きです」と操作性も高い軽量を好むのも三振数が少ない理由の1つかもしれない。昨年まで在籍したオリックスでは2022年の日本シリーズ第2戦(神宮)に先発し、第1打席で適時打。さらに注目が増すであろう新天地での交流戦でも、その勝負強さが期待できそうだ。

 開幕から火曜ローテを守り続けてきた左腕。交流戦も週前半で投げ続ければ、5月28日からの阪神3連戦(甲子園)と6月4日からの広島3連戦(マツダ広島)で打席に立つことになりそうだ。「まずはしっかりと投げてチームが勝てるように頑張りたいです。バッティングは本当に楽しみます」。好調なチームを、投打でさらに勢いづかせる。

写真=BBM