◆■ 日の丸を背負った“思い出の地”を再訪

 八村塁はNBAの貴重な夏の休暇を利用し、オランダ、パリ、スペイン、ヨルダンなどを旅しているが、次なる行き先はドバイだったようだ。ドバイといえば「バスケットボール・チャンピオンズリーグ・アジア(BCLアジア)2024」の開催地であり、FIBAは舞台となる『シェイク・サイード・ビン・マクトゥーム・スポーツ・ホール』に訪れたロサンゼルス・レイカーズの背番号28にスポットライトを当てている。

 八村がこの地を訪れるのは、初めてのことではない。今から10年前、八村は前田悟 (京都ハンナリーズ)や平岩玄(アルバルク東京)、牧隼利(琉球ゴールデンキングス)らと共に日本代表として「FIBA U-17男子バスケットボール世界選手権大会」に出場し、同スタジアムでプレーしていた。数々の強豪国と対峙したこの大会には、カナダ代表としてジャマール・マレー(デンバー・ナゲッツ)、アメリカ代表としてジェイソン・テイタムが出場。世界との差を見せつけられる中、明成高校のセンターは孤軍奮闘し、平均22.6ポイント、6.6リバウンドを記録して、世界に名を知らしめたのだった。

 八村にとっても思い出の地への再訪は感慨深いものがある様子で、FIBAの公式サイトには以下のコメントを残している。

「ここに戻って来れるのは素晴らしいことです。愛を示すために帰ってきました。本当に良い環境で、エネルギーに溢れていますね。ここでの時間を楽しんでいます」

◆■ 広島の試合は観戦する?

 この大会には、Bリーグより初の王者に輝いた広島ドラゴンフライズが参加している。広島はグループリーグを2勝1敗の2位で突破し、日本時間の6月14日(金)23時30分より、アジアナンバー1ガードのワエル・アラクジを擁するレバノンのアル・リヤディ・ベイルートと対戦する。

 広島には同じ富山県出身の上澤俊喜など八村と交流のある選手が複数在籍しており、国際経験豊富なブラックサムライは日本を代表して戦う同球団にエールを送っている。

「(広島の)みんなに会えるかはわかりませんし、次の試合を見られたらいいですが、日本の球団が活躍するのはうれしいですね。日本人であることを誇りに思っていますし、彼らが今ここで、最高レベルの戦いをしているのは素晴らしいことです」

「日本のバスケットボールはまだ成長過程なので、僕らができることを示すには良い機会なのではないでしょうか。彼が良い結果をもたらしてくれると期待しています。日本のバスケットボールは年々成長していますが、もっとこうした国際試合の経験が必要です。このような経験が僕らをさらに成長させてくれるでしょう」

 国際大会と言えば、今夏には「パリ2024オリンピック」が控えている。日本代表の強化合宿はすでにスタートしており、アメリカからはNBA入りを目指す富永啓生のほか、山ノ内勇登(ポートランド大学)やジェイコブス晶(ハワイ大学)も参戦。

 果たして、八村の長い旅の終着点はここ日本になるのだろうか。

文=Meiji

【動画】八村塁のドバイ訪問を伝えるBCLアジア公式アカウントの動画