日本電気(NEC)は5月23日に、「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)に同社の顔認証システムを導入することを発表した。万博会場における顔認証を活用した店舗決済と、顔認証を用いた入場管理の追加認証によって、手ぶら決済による利用者の利便性向上と、なりすまし防止による安全・安心で効率的な万博運営を実現する。

●電子マネーと顔認証が紐づく決済運用事例としては国内最大規模


 大阪・関西万博の会場内に出店する店舗では、通期パス・夏パスのチケット購入者に加えて、入場チケットの券種に関わらず大阪・関西万博の独自電子マネー「ミャクペ!」に会員登録した人を対象に、「stera terminal」が設置された店舗において顔認証を活用した決済サービスの提供が行われる。
 事前に顔情報と決済方法を登録しておけば、対象店舗では顔認証を行うだけで、スマートフォンやカードを使用することなく手ぶらでの決済が可能で、決済方法には「ミャクペ!」またはクレジットカードなどを選べる。なお、電子マネーと顔認証が紐づく決済運用事例としては、大阪・関西万博が国内最大規模になるという。
 入場管理は、通期パス・夏パスのチケット購入者を対象としたシステムで、万博会場入口にある51カ所の入場ゲートに顔認証を搭載して、チケットの貸し借りなどによるなりすまし防止を実現する。対象パスを持った人の入場時には、チケットに記載のコードをゲートにかざしたうえで、さらにゲートに設置されたカメラが顔認証の追加確認を行う。
 登録者数は、NECの国内における顔認証提供事例としては最大規模となる120万IDを想定しており、来場者がスムーズかつセキュアに入場できるシステムを目指す。
 なお、利用者が登録した顔写真などの個人情報は日本国内のプラットフォーム内に保存され、同意なしに個人情報を他の目的で使用することはないとしている。