ダンスの上手な人がよくやっている首を真横にスライドさせる動き。

これは体の他の部分を動かさずに、首だけを独立して動かすアイソレーション(分離運動)のひとつで、ダンスにおいては基本的な動作。日常生活では行わないような動作のため、やろうとしても肩が一緒に動いてしまったり、動きがぎこちなかったりするなど、ダンスを習い始めた人がつまづきやすい動作とも言われています。

そんな人間にとって難しい動きも、身体能力が高い猫にとっては、朝飯前のことなのかもしれません。それをまざまざと見せつけてくれたのがエキゾチックショートヘアのポセイドンくん。

Twitterに投稿された動画では、撮影するカメラの反対側の様子を見ようと、首を動かす一匹の猫ちゃんが写っていますが、注目すべきはその首の動かし方。座ったままの姿勢はそのままに、顔の表情も一切変えず、首だけを水平方向にスライドさせる動きは正にダンスのアイソレーション。舌がちょっぴりはみ出てしまった可笑しな表情と、首を滑らかに動かすギャップに思わず見入ってしまいそうです。

人間がアイソレーションをやろうとしても筋肉が硬いと可動域が狭いため、毎日コツコツとした練習を積み重ねることが必要になってきますが、猫は液体に例えられるほど身体が柔らかい動物。おそらく首まわりも相当柔らかいのか、造作もなくやってのける身体能力に嫉妬せずにはいられません。

しかし、ポセイドンくんは、こんな動きをしてまで一体何を見たがっていたのでしょうか。スマホで撮影していたという飼い主さんに聞いてみたところ、何か特別珍しいものを目撃したのではなく、カメラの後ろにいた通りすがりの人を眺めていただけではないかとのこと。

首の動きについては「わざとスマホとは別の方向を見ようとする割には、体を動かさず顔だけ動かしてたので笑っちゃいました。まるで鳥みたいですよね。」と飼い主さんにとっても面白い仕草だった様子。その後、ポセイドンくんは見たかったものが見れたかは分からないけれど、諦めてカメラの方に向いてくれたと言います。

ハーネスを装着したままベンチに座っていることからも分かる通り、ポセイドンくんは外にいても物怖じしない性格の持ち主。涼しい日は朝散歩するのが日課となっているものの、お散歩が好きというよりは人間のことが大好きなようで、街で出会った人々に触ってアピールをするという珍しい猫ちゃん。かかりつけの動物病院では、獣医師や看護師、患者さんにまでおしり触ってアピールしているため、犬並に人懐っこい猫だと認知されているのだとか。ネコ好きな人にとって一度でいいから遭遇してみたい猫ちゃんですね。

性格だけでなく、エキゾチックショートヘアならではの個性的な顔も魅力のポセイドンくん。

「この何ともいえないお顔がたまりません。ほっぺたがぷっくりしてて、いつもモミモミしちゃいます。特にポセイドンは舌が出ているのですが、顔を見るだけで笑顔になれます。他の猫ちゃんも大好きですが、エキゾの顔は沼ります。」と、飼い主さんも魅了されている様子。

そんな愛され猫のポセイドンくん、日中はキャットタワーのてっぺんに登り、窓からの景色を眺めながら過ごしていて、仲が良い兄猫のパリスくんと毛づくろいし合うのがライフワーク。TwitterやInstagramのアカウントでは、ポセイドンくんが遊んだり眠ったり、お散歩していたりする様子なども公開されています。