結婚したアキラの異動に伴い、新居に引っ越した鈴。そこで待っていたのは、夢見た立派な社宅暮らしとは程遠い、木造長屋での生活でした。

作者の芸子さんは、元美容部員。育休中に子どもを預ける保育園を見つけることができず、職場復帰を断念した経験があります。育児中心の生活のなか、「自分が本当にやりたいこと」を自問し動き出す過程を描いた漫画「社会復帰、どーすんの?!」は、SNS上で共感の嵐となりました。芸子さんが一歩踏み出すきっかけとなったのが、「ワーキングマザー」として生きた実の祖母・鈴の生き方。

芸子さんが描く鈴の物語は、私たちに「やりたいことを諦めない勇気」を届けてくれます。

「人って本当に突然いなくなる」倒れた夫を見て思い出す過去と改めて気づく「母の偉大さ」

夫が工場で倒れた。突然の知らせを受けて病院へ走った鈴でしたが、思ったよりも元気そうな夫を見て、張り詰めた糸が切れたかのように、目からは涙が溢れ出した鈴。

過去に亡くした家族を思いながら、もし夫が亡くなったら、我が子をひとりで育てることができるのか…不安を感じながらも、それを成し遂げてきた母の偉大さを改めて実感したのでした。

PROFILE 芸子

心配性な旦那、手についた米粒を許せない長女、なんだか能天気な次女を家族に持つ、なんとかなるさ精神の芸子さん。C's Comicsから電子書籍『鈴が鳴る』(一)が好評発売中!