将棋の藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠=に豊島将之九段(34)が挑戦する第82期名人戦7番勝負第3局1日目の対局が8日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで指された。藤井名人の連勝を受けた本局は、後手が角交換を避けた相居飛車となり、最初の1時間は23手とテンポのいい展開に。しかし28、29手目で角を交換してからはお互いに持ち角の打ち場所をさぐりながら、持ち時間9時間の2日制という対局らしい深い読み合いに入った。

 豊島九段が昼食休憩の1時間を挟んで34手目に107分をかけて、開局位置にいた玉を左に寄ると、藤井名人は40分の長考で3筋を歩をぶつけて攻撃態勢。さらに2筋に出ていた銀を1筋に進出させる「棒銀」で相手玉が寄ってきた方向へ圧力をかけると、豊島九段は続く38手目に10分以上の考慮。この間に午後3時となり、おやつの時間になった。

 藤井名人は「北海道アイスのクリームあんみつ」と「ハスカップヨーグルトスムージー」、豊島九段は「おしるこ」と「アップルキャロットスムージー」をチョイスした。両者はこれまで35局の対局があり、藤井名人の24勝11敗。藤井名人がプロ入りした当初は豊島九段が6連勝したが、現在は藤井名人が11連勝中。本局は9日夜、決着の見込み。