【岩瀬仁紀の目】◇24日 中日2―5ヤクルト=延長10回(バンテリンドームナゴヤ)

 中日は延長10回、21試合連続無失点を続けてきた絶対的守護神マルティネスが3点を失い、チームの連勝は「2」で止まった。本拠のバンテリンドームナゴヤでは、これで5連敗となった。先発の涌井は立ち上がりにヤクルトの村上に先制2ランを浴びてしまい、5月に入って白星から遠ざかる。

 元中日の守護神で本紙評論家の岩瀬仁紀さんは「涌井の失投は、村上への1球だけでした」と語る。

 初回。1死から長岡の三ゴロを福永が一塁へ悪送球してしまい、2死一塁で、前日23日のDeNA戦で11号本塁打を放っている村上を迎えた。その初球シンカーが高めに浮いて、打球を左中間へ運ばれた。

 「全体的に涌井の球は悪くなかった。あの1球だけが失投。そのあと村上から2三振を奪っています。2打席目(4回)はフォークで空振り三振させ、3打席目(6回)は外角のカットボールで空振り三振。しっかりと抑えただけに、あの本塁打にされた1球だけフワッと浮いてしまった。なぜ低めに投げきれなかったのかと悔やんでも悔やみきれないでしょう」

 2回まではテンポも悪かったと指摘する。投球の際に、踏み出す左足の位置を気にするそぶりが目立ったことから「足が合わないから慎重になってテンポが悪くなったのでしょう」と岩瀬さん。3回以降はテンポも良くなり、相手は「狙い球を絞りづらくなったと思います」と、その効果を認める。

 涌井は5回と6回のピンチを抑えて、6イニングを5安打の2失点(自責0)の投球だった。「内容は合格点です」と岩瀬さん。28日からは交流戦に入る。涌井は6イニング以上を自責点3以下のクオリティースタートをここ3試合連続で記録しているだけに、打線が奮起して、涌井を助けてあげたいところだ。