F1 第8戦 モナコGP フリー走行 24日 モンテカルロ市街地サーキット(3・337キロ)

ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス

 フェラーリのシャルル・ルクレール(26)=モナコ=が、悲願の母国GP制覇に挑む。過去5回の出場で最高位は4位。旧友や知人らが多く訪れる一戦に、「2位や3位じゃ意味がない。目指すのは勝利だけ」と強い意気込みを示した。まず狙うは、勝利に最も近いポールポジション。今季は開幕からレッドブルのマックス・フェルスタッペン(26)=オランダ=に独占されているが、「僕らも間違いなくポール候補」と自信をのぞかせた。フリー走行1回目は5番手。メルセデスのルイス・ハミルトン(39)=英国=が最速タイム。

 伝統の一戦を前に、ルクレールが並々ならぬ決意を明かした。「モナコウイークは本当に特別。全ドライバーがそうだろうけど、ここで育った僕にとっては特にね。目指すのは勝利だけ。これまでもできる限り努力してきたけど、結果は良くなかった。今年こそ良い週末になることを願うよ」

 悲願の母国初制覇へ、まずは予選に全力を注ぐ。道幅が狭くて抜きにくい市街地コースだけに、「ここで予選がどれだけ重要かは分かっている」と語気を強める。「ここ数レースはレッドブル、マクラーレンと僅差で争っているから、全てをまとめないといけない。ポールを取れたら、勝つチャンスが出てくる」と、今度こそフェルスタッペンの牙城を崩す気だ。

 モナコでの過去2度のポールは、悔しくも勝利につながらなかった。2021年は予選の最終アタックで喫したクラッシュが原因で、決勝直前にマシントラブルが発生してスタートできず。22年は路面コンディションが変化する中、チームのつたないピット戦術も災いして逆転を許した。

 最も思い入れの強いレースなのに、うまくいかず、まるで呪われているかのような状態。それでも「モナコではいつも予想外のことが起こるからね」と一笑に付す。「21年はモナコに来て突然、クルマのバランスが良くなった」とプラスの想定外も経験しており、非運にばかり捕らわれてはいない。

 直近2戦は連続して3位表彰台を獲得。前戦エミリアロマーニャGPで大幅アップグレード(改良版部品)が持ち込まれ、「クルマは確実に前進した」と自信を見せる。今年こそ表彰台の真ん中に立ち、母国ファンの大歓声に応えるつもりだ。