13日の試合中、3年ぶりに門馬監督(東海大相模時代の恩師で現・創志学園監督)の携帯を鳴らした。豊田がプロ初安打を放ち、祝福コメントがほしかったから。待望の一打を伝えると、明らかに声が明るくなった。「豊田が打ったんですか!?初安打を!?おぉ〜」。本当にうれしそうに話してくれた。

 21年に電話をした時は新人連載の取材だった。夏の甲子園期間中に2人きりで打撃練習を行ったことや人柄…。豊田寛という人間を魅力たっぷりに語ってくれた。その中で印象的だったのが、豊田の良さに「優しさ」を挙げていたこと。

 「優しさって人から見れば、勝負事には弱いじゃないですか。いいことではないと思うんですけど、それは豊田寛が持ってる最大の強みだと思いますね」

 13日のプロ初安打は、ナイン全員が喜んでいたように映った。それは、門馬監督が言う「優しさ」がもたらしたものだと思う。これから、もっともっとヒロシの優しさを見つけていきたい。(今西大翔)