洒落者でありたいならば、自身のワードローブを永く愛用するためにも日々のメインテナンスはとても重要だ。だけど、どのように手入れすればよいかは意外とわからないもの。そこで、2ndでもお馴染み「Jプレス&サンズ」ショップディレクター・黒野智也さんにキャップやタイ、アクセサリーといった小物のメインテナンスや膨大なコレクション収納に関する“マイルール”を聞いてみた。
「Jプレス&サンズ」ショップディレクター・黒野智也さん|新世代のアメトラを提案し続ける〈Jプレス&サンズ〉でマーチャンダイズや生産管理、企画・立案などマルチな活躍を見せる仕掛け人。2ndでもお馴染み「ブレザースナップ」の発起人でもあり、SNAP撮影ではカメラマンもこなす。現在も様々なイベントや企画を考案中1.キャップ
キャップの所有数はなんと100個以上。コーディネイトに取り入れることも多く、メインテナンスにもかなり気を使っているのだとか。キャップラバーは見習うべし!
【黒野さんのマイルール】
形が崩れないように棚に収納する
汚れたときは洗濯機ではなく手洗いで対応
形が崩れないように棚に収納する
手洗いの手順
1.衣料用漂白剤を塗って歯ブラシでこする
2.水を張った洗面器に洗剤を入れてもみ洗い
3.タオルで水分を拭き取り、日光干し
元々は靴棚として使用していたものを、置き場に困っていたキャップの収納場所として利用。上からの力がかかって形が崩れないようになるべく重ねずに平置きし、デザインのテイストごとに配置。
【使用アイテム】「THE」の部分洗い漂白剤
スプレータイプの衣料用漂白剤。細かい部分の汚れ取りに重宝し、パンツのベルトループ裏の汚れ取りにも使用しているのだとか(本人私物)
【使用アイテム】「トップ」の洗濯洗剤
植物由来の天然成分で汚れとニオイを元から分解する洗浄力に優れた液体洗剤。色落ちにつながる蛍光剤を使用していないのがポイント(本人私物)
消臭・抗菌には「きえ〜る」
汗をかく夏場は特に、キャップのメンテは大変になる。そんな時もこの「きえ〜る」をサッとスプレーするだけで消臭・抗菌は問題ない(本人私物)
2.ネクタイ
アメリカントラディショナルなスタイルを現代的に解釈したスタイルに定評のある黒野さんにとってタイはマストアイテムのひとつ。とにかくシワがつかないように徹底している。
パワフルなスチーマーはシャツやスラックスなど、様々なアイテムに使用している。「スチーマー自体にハンガーが付いていて、そこにかけてスチームできるのも便利で嬉しいポイントですね」
【黒野さんのマイルール】
シワがつかないように平置きで保管
着用後のシワは当て布をしてスチーマーをかける
シワが入りにくいように平置きし、着用後にはスチームを当てるのが基本。シルクは繊細な素材のため、当て布を挟むのがポイントだ。
【使用アイテム】全アイテムに使える万能戦士
「スチームワン」のスチーマースチーマーが必須な古着店でよく見かける、フランス生まれの大型スチーマー。電源をつければ少し待つだけで使用が可能で、パワーも十二分な万能戦士である(本人私物)
3.アクセサリー
黒野さんのスタイルを語る上で欠かせないのがアクセサリー。特にシルバーアクセサリーをブレザーやシャツなどのトラッドなアイテムとうまく組み合わせている。疎かになりがちなアクセサリーのメンテの参考にしてほしい。
目につく場所にアクセサリーを配置
コーディネイトを組む際に選びやすいように全アイテムがひと目で見られる箱の中に収納しているが、普段から目につく場所に置くことが意外と重要。引き出しの中などに入れているとしばらく見ないうちに汚れている、なんてことがあるが、目につく場所に配置していれば、すぐに汚れに気づくことができるのだ。
【黒野さんのマイルール】
シンプルなデザインのものはこまめにクロスで磨く
複雑なデザインのものは液体のジュエリークリーナーに浸けて黒ずみを除去
クリーナーの手順
1.クリーナーに10秒浸ける
2.軽く水洗いしてからタオルで拭く
3.隙間の黒ずみが綺麗に!
【使用アイテム】「コニシュアーズ」のシルバークリーナー
液体のシルバー専用クリーナー。化学反応によってシルバーの黒ずみを除去するだけでなく、サビ防止の効果もある。インターネットでも購入可能(本人私物)
シンプルなデザインの場合
凹凸の少ないシンプルなデザインのものはシルバークロスで磨くのみでOK。注意すべきは「長く放置しないこと」。シルバーが硫化して黒ずんでしまった状態をそのままにしておくと手遅れになってしまう。
複雑なデザインの場合
クロスでは取れない細かい黒ずみが気になる時は専用のクリーナーを使用する。「10秒間、液体につけて水洗いしてから拭く、ただそれだけ。かなり楽なのですが、しっかり取れるので重宝しています」
【番外編】ストレージ
昨年引っ越した際に設けたのが黒野さん待望の洋服部屋。きっかけは「自身のワードローブに愛着を持つため」だという。
「自分の洋服を綺麗に配置したら、しばらく着ていなかった服も着てみようかなと思えます。この部屋でその日のコーディネイトを考えるのが日課です」
【黒野さんのマイルール】
出かける前はこの部屋の中でコーディネイトを考える
ジャケットやシャツ、パンツなどカテゴリーごとにアイテムを配置する
ショップさながらの洋服部屋
アイテムの配置にもこだわりが。ジャケット、シャツ、パンツなどのアイテムごとにまとめており、その中でもデニム、チノパンなどカテゴリーごとに整理。ショップさながらの雰囲気が漂っている。
(出典/「2nd 2024年5月号 Vol.204」)
著者:2nd 編集部