令和皇室が活気づいている。5月25日の羽田空港は、大忙しだった。午前10時、天皇、皇后両陛下が乗った特別機は、植樹祭のために岡山県へ飛び立った。ほぼ同じ時刻、両陛下とは別のターミナルから秋篠宮家の次女、佳子さまがギリシャへの公式訪問のために民間機で空港を出発した。
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午前10時、羽田空港から両陛下が特別機で飛び立った。この日のおふたりは、水色の「おそろい」コーディネイトに身を包んでいた。淡い水色のシャツを着た天皇陛下は、第一ボタンを開けてクールビズの装い。
皇后雅子さまも陛下と同じ淡い水色のパンツスーツ姿であった。
装いのどこかに「おそろい」の色を入れることが多いおふたり。この日、羽田空港での仲睦まじさが伝わる水色のリンクコーデは、見るひとを優しい気持ちにさせた。
1時間ほどで岡山空港へ到着した両陛下は、穏やかにほほ笑み、出迎えた知事らとあいさつを交わした。おふたりは、岡山工業高校で生徒から学校活動の説明を受けたり、植樹祭の式典で演奏する高校生のオーケストラの練習を見学し、夕方には植樹祭関係者との懇談。
翌26日のおふたりは、さらに忙しい。天皇陛下は植樹祭の式典であいさつをし、記念の植樹を行う。午後は倉敷市へ移動。2018年の西日本豪雨で浸水した倉敷市を見て回り、被災したひとたちと面会する予定だ。
おふたりが岡山へ向けて飛び立ったほぼ同じ時刻。秋篠宮家の次女の佳子さまが民間機でギリシャへと出発しようとしていた。
今年は、「日本・ギリシャ文化観光年」で外交関係樹立125周年にあたる節目の年。佳子さまの公式外国訪問は、2019年のオーストリアとハンガリー、昨年の南米ペルーに続き3度目だ。
午前9時40分過ぎ。佳子さまが搭乗口に姿を現した。お見送りに立った宮内庁幹部や空港の関係者らに、「行って参ります」と、あいさつをした。
いつもエネルギッシュな佳子さまの装いは、鮮やかなコーラルピンクのスーツ。小粒の真珠とチェーンを組み合わせた「お気に入り」のネックレスに、真珠のブローチで華やかさが増していた。ブローチには、スーツの色に似た珊瑚のような宝石もついており、小物使いの上手さは格別だ。
「いってらっしゃーい」
居合わせた人たちから声があがる。
佳子さまは、極上のスマイルをみせて手を振り、搭乗口に入った。
ペルー訪問の際、現地メディアから「ほほ笑みのプリンセス」と呼ばれたのは記憶に新しい。とくに一般の人に接するとき、佳子さまの表情はやわらぎ、素敵な笑顔になる。
「パーフェクトスマイル」と呼ばれたように、佳子さまのプリンセス力が増すのは、人びとと接するときだ。
首都アテネで大統領への表敬や記念式典や歓迎の昼食会に臨むほか、世界遺産であるアクロポリスにあるパルテノン神殿や近くの島にある修道院を視察する。この修道院では、日本も支援する壁画の修復が行われている場所だ。イオニア海にあるケルキラ島では、孤児院の訪問や旧市街の視察が予定されている。
ギリシャ滞在中もびっしりと予定が詰まっておりハードな日程だが、現地でも飛び切りのスマイルを見せてくれるに違いない。
帰国は6月1日の予定だ。(AERA dot.編集部・永井貴子)